工場財団(工場財団登記)

工場財団とは

「工場」に属する不動産に関する権利等の諸財産を包括的に一体として抵当権の目的とするために設定する財団のこと。財団は、民法・不動産登記法等の適用上、1個の不動産として取り扱われる。

工場財団は、「所有権及び抵当権」以外の権利の目的とすることができない。例外として、財団抵当権者の同意を得て賃貸することができる。その旨の登記をすることはできない。

財団の設定

工場の所有者は、抵当権の目的とするため、1個又は数個の工場につき、1つの財団を設定することができる。数個の工場が各別の所有者に属する場合にも設定が可能である。

財団の設定は、工場財団登記簿にその所有権保存の登記をすることによって行われる。

財団の組成物件

財団は、次に掲げるものの全部又は一部をもって組成することができる。

1.土地及び工作物

工場に属する土地及び工作物とは、工場の敷地や工場の建物に限らず、広く工場の用に供せられている土地及び工作物をいう。(煙突・塀・タンクなど)工場敷地外に存する工場寄宿舎や原材料の貯蔵所なども含めることが出来る。

なお、土地及び建物については、必ず登記されているものでなければならない。

2.機械・器具・電柱・電線・配管その他の付属物

機械・器具等は、必ずしも工場に属する土地又は建物に直接附加し、もしくは備え付けられたものであることを必要としない。船舶・自動車等も、組成物件とすることが出来る。

3.地上権

土地自体を所有していなくても、地上権を取得しておりこれによって工場の設備を所有する場合、当該地上権を組成物件とすることが出来る、この場合地上権は既登記でなければならない。

4.物の賃借権

土地・建物の賃借権はもちろんのこと、建物以外の工作物・船舶・自動車その他の機械・器具等の動産についての賃借権も含まれる。土地又は建物その他工場設備を賃借して工場経営を行う場合において、このような物の賃借権を組成物件とすることが出来る。

なお、不動産及び登記可能な船舶等についての賃借権は、既登記のものでなければならない。

5.工業所有権

特許権・実用新案権・意匠権及び商標権とその使用権である。いずれも登録が行われていることが、組成物とするための要件となっている。

絶対的必要物件

財団は、「工場」につき設けられるものであるから、その組成物件の中心となるべきものとして、土地もしくは建物の所有権又は地上権若しくは賃借権が最小限絶対必要物件とされる。つまり、機械・器具のみによって財団を設けることは出来ない。一方で、絶対的必要物件(例えば、土地及び建物)のみで組成することは可能である。

組成物件の要件

  1. 他人の権利の目的でないもの(工場抵当法13条1項)

    工場に属する土地や建物であっても、これらを目的として抵当権又は地上権もしくは賃借権等の権利が設定されているときは、組成物件とすることができない。仮登記や仮登録の目的とされているものも、同様である。

  2. 差押え・仮差押又は仮処分の目的でないもの
  3. 他の財団に属しないもの

    財団の組成物件とされているものは、同時にこれを他の財団の組成物件とすることは許されない。

  4. 既登記・既登録であるもの(工場抵当法12条、同13条の2)
    1. 土地・建物 所有権保存登記が必要
    2. 登録自動車・船舶 登録が必要
    3. 地上権 登記が必要
    4. 工業所有権 特許権・実用新案権・意匠権・商標権 登録が必要

(参考文献「不動産登記総覧」新日本法規)

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